開業物件の選定
中長期的にはドクターの人柄や診療レベルが集患に大きく影響しますが、それらが十分に認知されるまでの初期のマーケティング戦略では開業物件の選定が非常に重要な要素となります。
診療圏の十分な調査が行われていなければ、クチコミの核となる初期患者を集めることができないためです。開業時に物件でハンデを背負うと、致命傷になりかねません。
開業物件の判断基準
物件の良し悪しは人通りの多さ、視認性、アクセシビリティ、競合医院などによって判断されます。統計上の診療圏調査の数字は一つの指標とはなりますが、上記項目を正確に反映することができないため、あくまで参考値に過ぎません。
実際には現地に足を運び、日中の人の流れや、物件の視認性、アクセシビリティ、 競合医院を調査した上で開業に適した物件かどうか判断します。
単純に、「高い」「安い」という基準で選ぶのではなく、その物件が生み出す収益を考慮した上で判断することをお勧めします。また、誰もが知っている大型商業施設や、「駅前の郵便局が入っているビル」などだれにも固有名詞化される物件は伝える側も伝えやすく、聞いた側もイメージできるため、口コミを促進します。
大型商業施設という選択肢
大型商業施設の最大のメリットは医院の立ち上がりの早さです。
常時2,000~3,000人の従業員と一日数万人の来場者に適切にアプローチすることで開業初期の集患には成功しやすくなっています。また、それだけ人が集まる場所でありながら、施設内に競合医院ができるという心配はないので、駅前等の一般物件とは異なり潜在患者を独占することが可能です。
デメリットは見かけの費用が大きいことです。イニシャル費用としては共通内装工事費やオープン販促費など、一般物件では発生しない費用がかかります。ただし、その分、従業員用休憩室などの共用施設が使えたり、開業時の告知が大規模に行えるというメリットがあります。
また、ランニング費用としては月額賃料が一般物件よりも割高に見えます。これは、純粋な賃料の他に施設特有の共益費やお客様用駐車場負担金が含まれているためです。その代わり、患者さま用に別途 駐車場を確保する必要性等は不要となります。
Author: コンサルタント 山下 敦之















